「このまま何となく働き、同じ毎日を繰り返すだけなのだろうか」と不安になっていませんか。
20代で生きがいがないと感じると、周囲だけが前へ進んでいるように見え、自分を責めてしまいがちです。
しかし、生きがいは最初から明確な夢として見つかるとは限りません。
日常の小さな興味や、人とのつながりから少しずつ育つこともあります。
この記事では、生きがいを感じられない原因を整理し、仕事、趣味、人間関係から自分の軸を見つける具体的な方法と、つらいときに利用できる相談先を紹介します。
生きがいがない20代が最初に知っておきたいこと

生きがいがないと感じると、「自分には何もない」「この先も変わらない」と考えてしまうかもしれません。
しかし、今の気持ちだけで人生全体を判断する必要はありません。
まずは生きがいが見えにくくなっている背景を知り、自分を責めることから離れてみましょう。
20代で生きがいがないと感じるのはおかしいことではない
20代は、進学、就職、転職、恋愛、結婚など、多くの選択を意識しやすい時期です。
自由が増える一方で、自分で進む方向を決める難しさも生まれます。
そのため、目標が定まらず、毎日の意味が分からなくなることがあります。
生きがいがないという感覚は、人生に失敗している証拠ではありません。自分が大切にしたいものを探している途中とも考えられます。無理に立派な夢を決めるより、「少し気になる」「またやってもよい」と思えるものに注目することが出発点です。
将来が見えない不安が生きがいを感じにくくさせる
20代では、収入、キャリア、住まい、パートナーなど、将来に関する不確定な要素が多くあります。
先が見えない状態が続くと、目の前の仕事や生活に集中しにくくなります。そして「何のために頑張っているのだろう」という疑問が生まれます。将来を一度に決めようとすると、不安はさらに大きくなります。10年後の正解を探すのではなく、まずは3か月後に少し改善したいことを考えてみてください。「睡眠を整える」「一つ資格を調べる」など、近い未来へ視点を移すと行動しやすくなります。
仕事にやりがいがないと人生全体まで空虚に見えやすい
一日の多くを仕事に使っていると、仕事の不満が人生全体の不満に見えることがあります。
仕事内容に興味がない、評価されない、人間関係が苦しいといった状況では、生きがいを感じにくくなるのも自然です。ただし、仕事だけで人生の満足を完成させる必要はありません。仕事は生活を安定させる手段と割り切り、趣味や人間関係で充実感を得る方法もあります。一方、心身を削る職場なら、休職や配置転換、転職を含めて環境を変える選択肢も検討しましょう。
SNSで同世代と比べるほど自分の価値を見失いやすい
SNSには、転職成功、結婚、海外旅行、起業など、誰かの印象的な場面が並びます。
疲れているときに眺め続けると、自分だけが何も成し遂げていないように感じるかもしれません。しかし、投稿からはその人の迷いや失敗、退屈な日常までは見えません。比較して苦しくなるアカウントは、一時的にミュートしても問題ありません。起床後と就寝前はSNSを開かないなど、見る時間を決める方法も有効です。他人の人生を確認する時間を、自分の気分や体調を確認する時間へ少しずつ戻しましょう。
人とのつながりが少ないと毎日の意味を感じにくくなる
生きがいは、自分一人の中だけで生まれるとは限りません。
誰かと話す、感謝される、同じ活動に参加するといった経験から、自分の役割を感じることがあります。
反対に、職場と自宅を往復するだけの生活では、孤独感が強くなりやすいでしょう。大勢の友人をつくる必要はありません。週に一度家族へ連絡する、行きつけの店で挨拶する、オンラインの勉強会へ参加するなど、小さな接点から始められます。深い関係を急ぐより、安心して同じ場所へ通えることを目標にしてみましょう。
心身の疲れによって好きなことが分からなくなる場合もある
「何をしても楽しくない」という状態は、趣味がないからではなく、疲れによって楽しむ力が低下している可能性もあります。
残業、睡眠不足、人間関係の緊張が続けば、新しいことを始める気力は残りにくくなります。この状態で無理に生きがいを探すと、できない自分をさらに責めてしまいます。まずは休むことを優先してください。温かい食事を取る、入浴する、早めに横になるなど、体を守る行動も大切な前進です。回復してから興味を探しても遅くありません。
生きがいがない状態と心の不調を見分ける目安
生きがいがないと感じるだけで、心の病気だと決まるわけではありません。
ただし、気分の落ち込み、興味の低下、不眠、過眠、食欲の変化、強い疲労感などが続く場合は注意が必要です。生活や仕事に支障が出ているなら、我慢だけで乗り切ろうとしないでください。抑うつ気分や楽しめない状態を含む複数の症状が2週間以上続く場合は、心療内科、精神科、かかりつけ医、公的相談窓口などへの相談を検討しましょう。
20代で生きがいを見つけられない主な原因
生きがいが見つからない背景には、本人の努力不足ではなく、価値観の混乱や生活環境の影響があります。原因を一つに決めつける必要はありません。
自分に当てはまるものを確認し、変えやすい部分から少しずつ整えていくことが大切です。
親や社会から借りた価値観で生きている
安定した会社に入る、収入を上げる、結婚するなど、世間で評価されやすい目標があります。それらを望むことは悪くありません。しかし、自分が心から望んでいない目標を追い続けると、達成しても満足できない場合があります。「そうすべき」と考えていることを紙に書き、その横に「本当に自分が望んでいるか」を記入してみましょう。違和感がある項目は、借りた価値観かもしれません。正解を否定するのではなく、自分に合う形へ調整することが重要です。
人生を変えるほど大きな目標を探してしまう
生きがいという言葉から、天職や社会的使命のような大きなものを想像する人もいます。そのため、映画を見る、料理をする、友人と話すといった身近な楽しみを「生きがいと呼ぶほどではない」と切り捨ててしまいます。生きがいは、一つの壮大な目標である必要はありません。次の休日に行きたい場所、成長を感じられる学び、会うと安心する人も生きがいの一部です。人生を変える答えを探すより、明日を少し楽しみにできる理由を増やしていきましょう。
忙しさや生活の乱れによって心の余白がなくなっている
仕事や家事に追われていると、自分の気持ちを確認する時間がなくなります。休日も疲れて寝て終わり、「自分には好きなことがない」と思うかもしれません。しかし、興味がないのではなく、興味を感じる余裕がない可能性があります。最初に見直したいのは、睡眠時間、食事、残業、スマートフォンの使用時間です。すべてを改善する必要はありません。就寝時刻を30分早めるなど、一つだけ変えてください。心の余白が戻ると、小さな好奇心にも気づきやすくなります。
生きがいがない20代におすすめの見つけ方
生きがいは、頭の中で考え続けるだけでは見つかりにくいものです。体調を整え、自分の感情を観察し、小さな行動を試す流れが役立ちます。向いていなければやめても構いません。試した経験そのものが、自分を知る材料になります。
睡眠や食事を整えて考えるための体力を取り戻す
疲れているときは、将来を悲観的に考えやすくなります。まずは人生の答えを出すより、考えるための体力を取り戻しましょう。毎日同じ時刻に起きる、朝に日光を浴びる、食事を抜かないなど、基本的な習慣から始めます。一度に完璧な生活を目指す必要はありません。起床時刻を大きく変えない、就寝前30分はSNSから離れる、一日一回は温かい食事を取るなど、一週間で一つだけ試してください。
心が動いた瞬間を記録して自分の価値観を知る
「何が好きか」と聞かれても、すぐには答えられない人も多いでしょう。その場合は、好きなものを無理に決めず、日常で心が動いた瞬間を記録します。楽しかったことだけでなく、悔しかったことや腹が立ったことも価値観を知る手掛かりです。寝る前に「気分がよかったこと」「違和感を覚えたこと」「また試したいこと」を一行ずつ書きましょう。記録がたまると、貢献、自由、安心、成長など、自分が大切にする要素が見えてきます。
小さな体験を30日間試して生きがいの種を育てる
生きがいを見つけるには、候補を考えるだけでなく、実際に試すことが必要です。ただし、高額なスクールへ入ったり、いきなり転職したりする必要はありません。図書館で本を借りる、無料講座へ参加する、週末に料理する、地域活動を調べるなど、途中でやめられる体験を選びます。30日間で3つほど試し、「またやりたい」「疲れる」「誰かとなら続けたい」と記録しましょう。合わなかった経験も、選択肢を絞るための収穫です。
仕事・人間関係・趣味から生きがいを育てる方法
生きがいを一つの分野だけで完成させようとすると、その分野がうまくいかないときに生活全体が揺らぎます。仕事、人とのつながり、個人的な楽しみを少しずつ持つことで、安定した充実感を育てやすくなります。
仕事だけに生きがいを求めず自分に合う働き方を考える
仕事に強いやりがいを感じる人もいれば、仕事以外を楽しむために働く人もいます。重要なのは、収入、安定、成長、自由な時間、人間関係など、自分が仕事に求める条件を整理することです。厚生労働省の「マイジョブ・カード」では、興味、スキル、価値観を振り返る自己診断を利用できます。働いておらず、就学もしていない場合は、15歳から49歳を対象とする地域若者サポートステーションも選択肢です。
安心して話せる人との小さなつながりをつくる
孤独を解消しようとして、急に親友や恋人をつくろうとすると疲れてしまいます。最初は、定期的に顔を合わせる場所を持つことから始めましょう。趣味の教室、運動施設、勉強会など、共通の目的がある場所は会話のきっかけをつくりやすいでしょう。高額な契約を急がせる集まりや、個人情報を過度に求める場は避けます。「月に一度参加する」「一人と挨拶する」程度の目標で十分です。
趣味や学び、社会参加から役割と充実感を見つける
自分のためだけに行動する気力が出ないときは、誰かの役に立つ活動から充実感が生まれる場合があります。地域のボランティア、保護動物の支援、イベント運営など、関心のある分野を自治体や社会福祉協議会の公式情報で探してみましょう。参加前には、活動時間、費用、保険、持ち物、募集条件を確認します。最初から長期参加を約束せず、単発の活動を選ぶと負担を抑えられます。
生きがいがない状態から抜け出せないときの対処法
生活を変えようとしても、考えがまとまらない日や、何もできない日があります。そのようなときは、一人で答えを出そうとしなくても大丈夫です。自己分析ツールや専門的な相談を使い、頭の中にある不安を外へ出してみましょう。
自己分析ツールを使って強みや価値観を言葉にする
自分のことを考え続けても答えが出ない場合は、質問に回答する形式のツールが役立ちます。マイジョブ・カードには、興味診断、スキルチェック、価値観診断があります。結果を職業の正解としてではなく、対話を始める材料として使いましょう。結果を見たら、「納得できる部分」「違うと感じる部分」「試したい行動」を一つずつ書きます。違うと感じた部分にも、自分の価値観が表れています。
キャリアや心の悩みを公的な相談窓口で話してみる
仕事の悩みはキャリア相談、心身の不調は医療機関やメンタルヘルス相談など、悩みに合った窓口を選びます。どこへ相談すべきか分からない場合は、厚生労働省の「まもろうよ こころ」にある支援情報検索を利用できます。働いている人は「こころの耳」で、匿名・無料の相談や医療機関検索を確認できます。受付時間や利用条件は変更される場合があるため、利用前に公式情報を確認してください。
消えたい気持ちや強い不調があるときはすぐに助けを求める
「消えたい」「自分を傷つけたい」と感じている場合は、生きがい探しよりも安全の確保を優先してください。一人にならず、危険な物から離れ、家族や信頼できる人へ「今、一人では危ない」と伝えます。差し迫った危険がある場合は119番へ連絡してください。「#いのちSOS」は0120-061-338、「よりそいホットライン」は0120-279-338です。「こころの健康相談統一ダイヤル」は0570-064-556で、受付時間は地域により異なります。
まとめ
20代で生きがいがないと感じても、人生の方向性が失われたと決まったわけではありません。
生きがいは、最初から大きな夢として見つかるものではなく、心が少し動いた体験や、安心できる人とのつながりから育つことがあります。
まずは睡眠や食事を整え、日常で気分が動いた瞬間を記録してみましょう。
そのうえで、興味のある活動を小さく試すことが大切です。
仕事だけに答えを求めず、趣味、人間関係、学び、社会参加へ視野を広げてください。
一人で整理できないときは、公的なキャリア支援や心の相談窓口を利用できます。
今日できる小さな行動を一つ選び、自分の生活に新しい経験の入口をつくることから始めましょう。
