第一志望と嘘をついても内定辞退できる?伝え方と例文を解説

就職活動中の日本人学生がSPI受検後にノートパソコンの前で不安そうにしながらも、画面の奥に明るい光が差し込むブログ用アイキャッチ画像 選考

面接で「御社が第一志望です」と答えたのに、内定を辞退してもよいのだろうか。

嘘をついた罪悪感や、採用担当者に怒られる不安から連絡できずにいる方もいるでしょう。

しかし、第一志望と伝えたことだけを理由に、入社を強制されるわけではありません。

大切なのは、辞退を決めたら先延ばしにせず、相手への配慮を持って伝えることです。

この記事では、内定辞退の法的な考え方、損害賠償の可能性、電話とメールの例文、引き留められた場合の対処法まで分かりやすく解説します。

第一志望と嘘をついた後でも内定辞退できる?結論と法的な考え方

入社日変更の電話相談をする日本人ビジネスパーソン

面接で第一志望と答えた後に気持ちが変わることは、決して珍しいことではありません。

選考が進む中で企業への理解が深まったり、別の企業から内定を受けたりすれば、判断が変わる可能性があります。まずは、第一志望という発言と内定辞退の法的な関係を整理しましょう。

面接で第一志望と答えたことだけで入社義務は生じない

面接で「御社が第一志望です」と伝えたことだけで、必ず入社しなければならない義務が生じるわけではありません。

第一志望という言葉は、面接時点の志望度や意思を表したものです。

その後の企業研究や選考結果によって、就職先の判断が変わることはあります。ただし、企業はその発言も含めて採用を判断しています。辞退するときは、採用活動に時間を割いてもらったことへの感謝と謝罪を伝えましょう。

内々定・内定・内定承諾の違いを整理する

内定辞退を考えるときは、自分がどの段階にいるのかを確認します。

内々定よりも内定、内定よりも承諾後の方が、企業側で入社準備が進んでいる可能性があります。採用内定によって労働契約が成立していると判断される場合もありますが、通知書や誓約書、選考の経緯などによって個別に判断されます。

職業選択の自由と内定辞退の関係

就職先を最終的に選ぶのは応募者本人です。

内々定や内定の辞退は就活生の正当な権利とされ、他社の就職活動をやめさせたり、辞退を妨げたりするオワハラへの注意が呼びかけられています。企業から強く引き留められても、本人の意思に反して働くことまで強制されるわけではありません。

内定承諾書を提出した後でも辞退できる

内定承諾書を提出した後でも、一般的には内定辞退は可能です。

期間を定めていない雇用では、民法第627条により、解約の申し入れから2週間が経過すると契約が終了するとされています。ただし、内定の扱いは書面や契約内容によって異なるため、入社直前や特殊な事情がある場合は相談窓口を利用しましょう。

内定辞退で損害賠償を請求される可能性

内定辞退をしただけで、通常すぐに高額な損害賠償を負うわけではありません。

一方、すでに労働契約が成立している場合は、事情によって損害賠償の問題になる可能性があります。本人の特別な要望で企業が高額な機器を購入したような個別事情がある場合は注意が必要です。違約金を請求されても、その場で支払いを約束せず、労働局や専門家へ相談してください。

第一志望という嘘は経歴詐称と同じなのか

第一志望という発言は、学歴や職歴、資格などの客観的な経歴とは性質が異なります。

志望順位は本人の判断であり、選考中にも変わり得ます。通常の就職活動で志望順位が変わったケースなら、必要以上に犯罪や訴訟を心配するより、速やかに辞退を申し出ることが現実的です。

内定辞退は早く伝えるほどトラブルを減らせる

辞退の意思が固まったら、できるだけ早く企業へ連絡しましょう。

企業は内定者数を基に、追加採用や配属、研修、備品の準備を進めています。
罪悪感から連絡を先延ばしにすると、かえって迷惑が大きくなる可能性があります。結論を明確にし、感謝とおわびを添えましょう。

第一志望と伝えた企業への内定辞退を円満に進める手順

第一志望と伝えた企業へ辞退を申し出るのは気が重いものです。
しかし、曖昧な言い方をすると企業側が保留だと受け取り、話が長引く可能性があります。連絡する時期、連絡手段、理由の伝え方という3点を押さえましょう。

辞退を決めた当日か翌営業日までに連絡する

辞退の意思が固まった時点で連絡します。承諾期限まで日数が残っていても、結論が出ているなら期限直前まで待つ必要はありません。連絡前には内定通知書や担当者からのメールを確認し、担当者名や受付時間を整理します。学校推薦やエージェント経由の場合は、先に担当者へ相談してください。

電話で伝えてからメールを送る

入社日が近い場合や内定承諾後は、営業時間内に電話で伝える方法が適しています。電話がつながらない場合は先にメールを送り、電話をしたことも記載します。電話で受理された後も確認メールを送れば、伝達内容を記録として残せます。

内定辞退の理由は簡潔に伝える

辞退理由は「慎重に検討した結果、他社への入社を決めたため」「自分の適性と今後の方向性を再検討したため」などで構いません。「第一志望と言っていたのに」と尋ねられた場合は、面接後も検討を重ねた結果、進路への考えが変わったと伝えます。

第一志望と伝えた後に使える内定辞退の電話・メール例文

内定辞退では、第一志望と言ったことへの長い言い訳よりも、結論、感謝、謝罪を分かりやすく伝えることが大切です。緊張する場合は手元にメモを用意しましょう。

電話で内定辞退を伝える例文

「お世話になっております。先日、内定のご連絡をいただきました〇〇大学の〇〇と申します。このたびは内定をいただき、誠にありがとうございました。慎重に検討した結果、誠に勝手ながら内定を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。選考に貴重なお時間を割いていただいたにもかかわらず、申し訳ございません」

メールで内定辞退を伝える例文

件名:内定辞退のご連絡/〇〇大学・氏名

株式会社〇〇 人事部 〇〇様

お世話になっております。〇〇大学の〇〇です。このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。慎重に検討した結果、誠に勝手ながら、貴社の内定を辞退させていただきたくご連絡いたしました。選考を通じて貴重なお時間を割いていただいたにもかかわらず、このような結果となり、心よりおわび申し上げます。

強く引き留められたときの回答例

「面接時には高い志望度を持っておりましたが、その後、自分の将来について改めて検討いたしました。大変申し訳ありませんが、辞退の意思は変わりません」と伝えます。何度も面談を求められた場合は、決定が変わらないため追加の面談は辞退すると明確に回答しましょう。

第一志望と嘘をついた罪悪感や企業からの質問への対処法

第一志望と答えた記憶があるほど、自分は不誠実なのではないかと悩みやすくなります。しかし、罪悪感だけを理由に就職先を決めると、入社後のミスマッチにつながりかねません。相手への配慮と自分の将来の両方を考えましょう。

誠実に謝罪しても自分を責めすぎない

内定辞退によって企業側に調整が必要になる以上、謝罪と感謝は必要です。ただし、自分を責め続ける必要はありません。大切なのは過去の発言を消そうとすることではなく、現在の意思を誠実に伝えることです。連絡を無視せず、早めに対応しましょう。

本当の辞退理由をどこまで話すべきか

辞退理由をすべて細かく説明する必要はありません。家庭事情、健康上の事情、他社名、給与額など、伝えたくない情報まで開示しなくて構いません。「検討の結果、別の進路を選択した」と伝えれば意思を示せます。他社名を聞かれても、回答は控えると丁寧に断れます。

学校推薦や就職エージェント経由では先に相談する

学校推薦では大学や教員が企業との調整に関わっている場合があります。まずキャリアセンターや推薦担当者へ相談してください。エージェント経由の場合も担当者へ辞退の意思を伝えます。強く引き留められても、辞退の意思が確定していることを明確に示しましょう。

内定辞退で困ったときの相談先と今後の就活対策

企業から怒鳴られた、違約金を請求された、何度断っても面談を求められるなど、自分だけで対応するのが難しいケースもあります。困ったときは記録を残し、第三者へ相談しましょう。

大学のキャリアセンターや就職エージェントに相談する

学生であれば、大学のキャリアセンターへ相談できます。内定通知書、承諾書、メール、企業から言われた内容を整理して持参しましょう。電話だけで話が進まない場合は、メールでも内定を辞退すると送り、記録を残します。

新卒応援ハローワークや労働相談窓口を利用する

新卒応援ハローワークでは内定後の悩みも相談できます。内定辞退を認めないと言われた場合や損害賠償を求められた場合は、都道府県労働局の総合労働相談コーナーも利用できます。不安な書面へ署名する前に相談しましょう。

次の面接で第一志望を聞かれたときの答え方

今後は無理に「絶対に第一志望です」と断言せず、「第一志望群の一社です」「入社を強く希望しています」と、具体的な理由とともに伝える方法があります。順位だけでなく、仕事内容や企業文化、自分のキャリアとの一致を説明しましょう。

まとめ

面接で第一志望と伝えた後でも、事情や考えが変わったのであれば内定辞退は可能です。

第一志望という発言だけを理由に、入社を強制されるわけではありません。

ただし、内定承諾後や入社直前の辞退では企業の準備が進んでいるため、意思が固まり次第、電話やメールで速やかに連絡しましょう。

伝える内容は、辞退するという結論、選考への感謝、迷惑をかけることへの謝罪の3点で十分です。

強い引き留めや違約金の請求を受けたときは、その場で約束や署名をせず、大学のキャリアセンター、新卒応援ハローワーク、労働局などへ相談してください。

罪悪感だけで入社を選ぶのではなく、自分の将来を冷静に考え、誠実な形で次の一歩を踏み出しましょう。