遠藤商事株式会社/宍戸直規さん

遠藤商事株式会社のはじまりは昭和初期、いまから百年近くも前のこと。山形市の小さな油店として開業したところから、その長い成長の歴史は積み上げられてきました。現在では、事業拠点は山形県内のみならず宮城にまで及び、拠点数は20を超え、原点というべき石油やガスといったエネルギー事業をビジネスの中核としながらもそこにとどまることなく、幾つものグループ会社を抱えながら、住宅設備や車両販売、通信販売、そして野菜工場といったアグリビジネスなどなど、非常に広大なフィールドでビジネスを展開する総合商社として、地域に広く知られる存在となっています。

さて、地域にエネルギーを供給するというライフラインを支える仕事を中心としつつ、時代が求める新しい分野への事業展開に常に果敢にチャレンジしつづける遠藤商事というこの会社で、いったいどんな人が働いているのか。そしてまた、その人はいったいどんなことを考えてこの会社で働くことを選んだのか。
山形大学卒業後、同社で働く宍戸直規さんに、お話を伺いました。

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宍戸直規さん。山形大学人文学部(現・人文社会科学部)卒業。2017年、遠藤商事株式会社入社。現在は総務部総務課所属。


なぜ遠藤商事という会社を選んだのでしょう。


宍戸さん:私の就職活動の軸となったのは「長く働ける会社で働きたい」ということでした。あまり器用なタイプでも天才肌でもないので、なにかのスキルを身につけるのも他人より多く時間がかかる気がしていたので、転職を繰り返すような働き方は自分にはできないだろうし、それよりも、ひとつの同じ会社で長く働きながら活躍できる場を見つけていく方が自分に合っているだろうと思いました。

そこで、では「長く働ける会社」ってどんな会社だろうと想像してみると、ひとつは、売上が安定している会社だろう、それなら嗜好品ではなく生活必需品を扱う会社だろう、と考えました。ふたつめは、飽き性な性格なので、同じひとつの仕事をずっと続けるというよりも、いろんな事業を展開していていろんな仕事が経験できる会社がいいだろう、と。そしてみっつめは、職場環境がいい会社がいいだろう、と考えました。そうした理由から、エネルギーというライフラインを扱う会社であり、様々な事業を展開する総合商社であるこの会社を選びました。



働く場所として山形のまちを選んだのはなぜですか。

宍戸さん:私は元々は福島の出身で、大学入学を機に山形で暮らしはじめました。卒業する頃には、色々とバイトしたり学生生活を過ごしたこの山形のまちのほうが実家のあるまちよりもずっと馴染めている気がしていました。それで「ここで働いた方が楽しいかも」と、山形で働くことに決めました。

ここに長く暮らされている方には当たり前すぎてわからないかもしれませんが、私の感覚では、山形は人と人との繋がりがとても温かいまちです。まちを盛り上げたいという熱い気持ちが漲っている人も多いですし、お客さんとのコミュニケーションにしても、自分がイメージするいわゆる営業マンよりも、2歩も3歩も近い距離でお客さんとやり取りしている感じになるんです。これはたぶん、山形という土地の地域性じゃないかなと思っています。

この人の繋がりの温かさは職場でも同様で、新入社員時代からずっと年配の先輩たちに年齢の垣根もなく接していただき、とてもフランクな雰囲気の中で仕事させていただいています。



学生の皆さんにアドバイスしたいことはありますか。

宍戸さん:業務として新卒採用や新人研修にも関わるなかで、学生さんの声を聞く機会が多いのですが、「やりたいことが見つからない」とか「私はこの仕事だけしたいんです」とかという言葉をよく耳にします。でも、「そうじゃないんだよ」ということをまずは伝えたい。入社前に思い描いているイメージと、働いてからのイメージとでは全然違うもの。やってみたら面白かったとか、やっぱり苦手だったとか、実際にやってみないとわからないものです。その点、遠藤商事という会社がいいのは、もし自分には合わないような仕事だったとしても、ほかにもいろんな仕事があるということ。選択肢が社内にいくつもあるのです。これがもしも、ひとつの事業しかやっていない会社の営業職として採用されてその仕事が合わなかったとしたら、転職するしかないでしょう。

それから、もうひとつ。「いい会社に入りたい」「大きい会社に行きたい」と言う学生さんも多いのですが、すごく漠然としたものになっているんですよね。でも、本当は「いい会社」って人によって違うものだと思いませんか。ですから、「自分の中でいったい『いい会社』の基準ってなんなのか」をいちどしっかりと考えてみてから就職活動に臨んでいただくのがいいのではないでしょうか。

自分のなかの価値観、それも学生時代の価値観というのはとても狭いものだったりもします。もちろん勉強も大事ですし、いろんな人と話すのも、バイトを経験するのも、遊ぶのもどれも大切なことです。いろんなところで、いろんな人の価値観を知り、「こんな考え方もあるんだな」と吸収していってほしい。まずはいろんな人に出会ったり、いろんな体験をしてみるというのを大事にしてほしいと思いますね。


Company Data 名称 遠藤商事株式会社
代表者 代表取締役社長 遠藤 靖彦
創業 昭和3年4月(1928年)
  本社所在地 〒990-8558 山形県山形市穂積85番地
  事業内容 石油製品・LPガス・OA機器・住宅設備機器・ガス器具  家庭用電化製品・セメント・生コン・消火器の販売
設備工事の請負施工及び設計監理  給水用防錆剤の販売及び保守事業・住宅リフォーム  損害/自賠責保険代理業
ハワイウォーターの販売  中古車販売(ネットオークション)  住宅用太陽光発電システムの販売
Webサイト https://www.endo.co.jp/

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photo & video: Kaho Fuse, Suzuka Sato(strobelight)
text: Minoru Nasu(real local Yamagata

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