テクノクオーツ株式会社/取締役社長 園田育伸さん

テクノクオーツ株式会社 取締役社長 園田育伸さん。山形市内の蔵王南工場にて。

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Q:御社の事業内容について教えてください。

園田社長:
当社は半導体関連の事業を展開しております。半導体そのものを製造するのではなく、半導体を製造するための装置に使うパーツを石英ガラスやシリコンといった特殊な素材を加工して作っています。弊社で作る何百種類とあるパーツは、すべて半導体装置を製造するメーカーからのオーダーメイド品。各半導体装置メーカーでパーツは異なりますので、同じものは使えません。先方の装置に合わせて都度、ご相談させていただきながら製造いたします。

本社は東京の中野にあり、山形に3つの工場があります。社員は合わせて300人ほどです。山形の工場には、パーツの加工に機械を使う機械加工と火で加工をする火加工の部門があります。石英ガラスはダイヤモンドの次に硬い素材なものですから、何千度という火を利用しながらの加工を行ないます。その後、品質管理者が微量のゴミまでチェックし、製品化する流れです。製造以外には、新しい技術を開発する課もあります。

半導体装置の生産において日本は世界の約半分を占めており、その中で弊社はいくつかの大手メーカーと取引をさせていただいています。また、世界で1番の半導体装置メーカーと言われているアメリカの「アプライドマテリアル」さんの認定工場に蔵王工場、蔵王南工場、中国工場が選ばれ、その品質にも絶対の自信を持っております。

山形市にある蔵王工場(写真提供/株式会社テクノクオーツ)


国内以外に中国の浙江省に同じく300人規模の工場があります。中国には現在、山形の工場から3名、本社から2名出向していて、3年に一回のペースで2〜3名をチェンジしています。出向が決まった当初は不安もあるようなのですが、戻ってきたときには一皮むけるというか考え方がよりグローバルになっている印象です。中国の工場のトップは日本語ができますし、通訳もつけるので言語の心配はありません。山形で採用となった後に希望があれば、チャンスを作ってあげたいですね。会社をどんどんグローバル化させ、ほかの国への進出もチャレンジしていきたいです。

石英ガラスやシリコンなど特殊素材の加工技術によって、世界の半導体装置メーカーとのビジネスを展開している


Q:御社の魅力は、どんな点だと考えますか。

園田社長:コロナ禍となって厳しい企業も多い中、半導体事業は活況です。当社の実績として44年かけて売上が100億の企業になったところから、この3年間で200億に成長いたしました。在宅ワーク並びにオンライン会議など家でもパソコンを利用する人が増え、半導体を使う製品の需要が急激に増えたことが理由です。それ以外にも車の自動運転化や冷蔵庫にカメラがつくなど、これまで半導体が必要なかった分野にも使われ始めたことで、その需要は数十倍とも言われています。今後、AIやロボット化の波が進めば、さらに需要は増えるでしょう。

役員と社員の意思疎通がとれていることも魅力のひとつだと思います。工場内にある社長室のドアも常に開いておりますし、本社の社長室は就業時間後、社員の交流の場になっているんですよ。私が社長に就任したのは、2019年の6月です。その後、コロナ禍となり社員と一緒に食事をすることも催し物をすることもできなくなりました。とくに本社では在宅勤務も多くなり、社員同士の意思疎通がとれているのか心配になっていたんです。そこで社長室に冷蔵庫を設置し、週に2回ほど私が買い出しをして飲み物を補充。仕事が終わった後に、みんなで1、2本飲んで交流する時間をとっています。山形工場に来たときには一週間は滞在し、各課の数名と必ず食事会をするように。「僕たち、まだ社長と食事をしたことないです」と社員から声をかけてくれることもありますよ。

2022年の10月からは全額会社負担で通信教育を受けられる制度をスタートさせました。科目も問いませんし、それぞれが学びたい分野を受けてもらっています。2か月で約1/3の社員が利用したようです。社員が幸せになってくれることは、会社にとってもメリットになると思っているので、何でも挑戦したいと考えています。

Q:そんな御社が求める人材はどんな方ですか。

園田社長:
2年前に私が作った中期経営計画の中に掲げた基本方針に「伸ばす」、「変革の変える、代替えの替える、早く帰るの帰る」、「育む」というものがあります。手前味噌なのですが、「育む」に「伸ばす」で、私の名前の育伸になるんですよ。私はそういうちょっとユニークな基本方針を社員と共有したいという想いで会社を経営しております。

営業採用であれば、受け答えと挨拶ができるのが基本。製造では、専門的な技術よりもコミュニケーションを取れるほうが大事だと思います。機械加工と火加工部門、品質管理の各部署が一丸となって作り上げますので、どうしても自分ひとりでは成り立たない部分が多くなります。そのため仲間とともに向上心を持ち、愛情を持って働いてくださる方を求めています。

Company Data 商号 テクノクオーツ株式会社
設立 1976年(昭和51 年)10 月2 日
上場取引所 東京証券取引所スタンダード市場(証券コード:5217)
  本社 〒164-0012 東京都中野区本町 一丁目32番2号 ハーモニータワー12階
  生産拠点 蔵王工場、蔵王南工場、山形工場
  主要製品 1)半導体製造装置用製品(反応管、キャリアボート、ベルジャー、石英リング、シリコン電極)
2)理化学機器用製品(石英ガラスセル、G・Lクロマトグラフィー用製品、テドラーバッグ)
3)その他( 半導体製造用加熱機器(ヒーター)他)
  Webサイト https://www.techno-q.com/

テクノクオーツ株式会社 社員インタビューはこちら

photo & video: Zen Watanabe, Kaho Fuse, Suzuka Sato(strobelight)
text: Natsumi Nakayama

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