Web ディレクター・たくまさん「視野を広げよう、選択肢を増やそう」
ぼくは高校卒業後に山形を離れ、東京のWeb制作会社で働きながらスキルを磨いてきました。最近は、メインWebディレクターとして大きな案件に関わることが多くなり、第一線でさまざまな経験を積ませてもらっています。
2021年12月、コロナや家族の事情もあって、山形にUターンすることを決めました。10年ぶりくらいに山形で暮らすようになったわけですが、そんな今も東京時代の会社に所属したままであることに変わりはなく、リモートワーカーとして勤務を続けながらWebディレクターの仕事を継続しています。さて、そんなぼくが、いま大学生である若い人たちに就職についてアドバイスできることがあるとすればどんなことか、というお題をいただきました。
これから就職をめざす若いみなさんに、ぼくから言えること…。 それはどこに就職するにせよ「目標を持ち、視野を広げて選択肢を増やせるようにしよう」ということです。就職するときにしっかりとじぶんなりの目標をもつことが、その後の人生を大きく変えるのではないか、と思います。若いときというのは、やっぱりまだ社会のこととかイマイチよくわかっていないし、わからないからこそほんのちょっとした情報や先入観に頼って、目のまえにあるわずかな選択肢のなかからだけで就職先を決めざるをえない部分があります。でも、そこで止まるのではなく、じぶんの本当にやりたいことは何か、ワクワクすることは何かを考え直し、 5年後・10年後にはこんな状態になっていたいなと視野を広げて目標を持つことができれば、そのためにするべきことが見えてきます。
例えば、ぼくがめざしているのは、なにも持たずに知らない土地にいっても、しっかりとお金を稼げるような自分でいたい、ということ。この想いを抱くきっかけとなったのは、ぼくが中学3年生のころのこと。父が会社を辞め、自営業を始めたのですが、そのときにお金を稼ぐことの大変さを間近で見たことが根底にあるのだと思います。
また、ぼくは高校生のうちにやりたいことが見つからず、卒業後フリーターになりました。一度人生に立ち止まってしまいましたが、そこでじぶんを改めて見つめ直し、「場所にとらわれず働ける」「できるだけ汎用性の高いスキルを付けられる」ということからWebディレクターになる決断をしました。そこから上京し約10年。初めはパソコンで新規フォルダをつくることもできないくらいITリテラシーが全くなかったぼくでしたが、いまではWebディレクターとしてクライアントのビジネス課題をWebで解決するという仕事をやることができています。泣きながら仕事を覚える日々が続きましたが、なんとかここまでこれました。それでもまだ目標を達成するには至っていないので、達成に向けて歩んでいる最中です。
ぼくは学歴もないし、天才でもないただの凡人なので、目標を持たずに漠然と働いていると「会社にこなくていいですよ」と言われてしまったらどうしようもなくなってしまいます。でも、この危機意識を持てているということが、次のじぶんにつながっていくはずです。だからどんどんじぶんの意志で視野を広げていくようにして、つねに新しいスキルとか新しい仕事の可能性を探ることが大事なんだと思います。
広い視野や高いスキルを手に入れることができれば、選択肢をたくさん持てるようになるでしょう。もしなにか不測の事態が起きても、じぶんでお金を稼げたり仲間と新しいことを始められたりする。そういうことを目標にする働き方もあるんだということを、これから社会人になるみなさんにお伝えしたいですね。