株式会社サニックス/今野竜平 さん

株式会社サニックスは、いわゆる一般的な「自動車整備会社」とは全く異なり、その言葉が喚起させる既存の業態イメージからは遠く離れて、「自分たちはこうありたい!」というビジョンの実現に向けて創造していくことを自分たちのアイデンティティとしている「車の快適環境創造業」だ。

経済産業省の令和元年度「新・ダイバーシティ経営企業100選」では、東北地区から唯一受賞を果たした。働く人のことを考え、現場の声を聞き、その声をまた現場に生かす。社員のモチベーションは高く、定着率も高い。多様な人が「働きやすい」と感じられる職場環境をつくりだしていることを評価されての受賞だった。

今回はそんな同社で働く今野竜平さんに、これから就職活動をしていく若い人たちへのメッセージを聞いた。


今野竜平さん。山形大学人文学部(※現在の人文社会科学部)卒業。2018年入社。

Q:これから就職活動する若い人たちへ、アドバイスやメッセージなどはありますか?

今野さん:自分の就職活動を振り返ってみると、全然うまくいかなくて、満身創痍でズタボロだったんですね。そして、藁をも掴むような気持ちで、このサニックスという会社と出会いました。選り好みなどできる余裕はまったくありませんでしたし、入社するまで会社のことをほとんどなにもわかってなかったというのが本当のところです。でも、そんな私ではありますが、ここで働いてきた4年という月日のなかで、ありがたいことにこれまで一度も「辞めたい」と思ったことはありません。

ものすごく怒られても仕方のないようなヘマもいっぱいしてきましたけど、すごく寛大な上司に恵まれていますし(笑)、垣根のない人間関係のなかで仕事していると感じる時があります。自分の提案をすごくスムーズに受け入れてもらえる場面もけっこうありますし、逆に「それはダメだよ」ってストレートに却下されることもあります。下っ端だからと雑に扱われるようなことが一切ないという職場環境が、自分にとってはフィットしたのかもしれません。

いま思い返してみて、就職活動のときに「こうしたらよかった」と思うことはすごくたくさんあります。特に強く思うのは「時間とお金を具体的な数字で考えてみる」ということです。ふつうは、休みも給料も、多いほどいいですよね。みんながみんな、誰しもそう思っている。もちろん学生時代の私もそうで「完全週休二日はあたりまえ」と勝手に思い込んでいました。でも、今の私は土曜日に仕事することもありますし、そんなときもわりとふつうなんです。つまり、実は自分にとってはそれほど優先順位の高い要件ではなかったってことなんです。就職関連の大手Webサイトには、よく適職診断テストみたいなものがありますけど、ああいうのに頼るのも、価値基準をそのサイトに委ねてしまっているということだと思います。

つまり、労働時間とか給与とか、みんながいいと思うような外側の条件面だけに目を向けていてもしょうがないということです。ほんとうに大切なことは、自分にとっての価値基準を自分で設定する、ということだったんです。自分のなかで大切にしたいことはなんなのか、その優先順位や価値基準をよく考えて就職活動するべきだったんだ、と今になってわかるんですね。

就職で大切なことは「会社がいいか、悪いか」ではないんです。すべてがいい会社なんてきっとどこにもないでしょうし、どんな会社にも必ずいいところも悪いところもどちらもあるのだと思います。そのバランスが、会社と私とのあいだでうまくマッチした、ということなんだと思うんです。

ですから、これから就職活動されるみなさんには、ぜひ、自分の価値基準とうまく噛み合うような会社を選んでほしい、と思いますね。

代表取締役の佐藤啓社長と


Company Data 社名 株式会社サニックス
本社所在地  山形県山形市十文字812番地
代表者 代表取締役 佐藤 啓
  創業 昭和45年
  事業内容 総合自動車サービス業
  社員数 70名
Webサイト http://www.sanics.co.jp/

株式会社サニックス 経営者インタビューはこちら。

photo/ Mikako Ito, text/ Natsumi Nakayama, edit/ Minoru Nasu

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